こんにちは、小舟(こぶね)です。
「フリーランスになったら、確定申告をする必要がある」
このことを漠然と認識していても、「じゃあまず何すればいいの?」って人がほとんどだと思います。
今回は、私の経験をもとに、フリーランスになったら最初にやるべき手続きを解説します。私は手続きが遅れたせいで、初年度は多めに税金を支払う羽目になりました…。
これからフリーランスとして仕事を始める人、副業を始めて年間20万円以上の利益が出そうな人は、ぜひ参考にしてみてください。
これだけ出せばOK!「開業届」と「青色申告届」
まず、開業したら(副業で事業を開始したら)「開業届」と「青色申告届」を2ヵ月以内に提出する必要があります。国税庁のHPから書類をダウンロードして、郵送で提出しましょう。
提出先の所轄税務署がわからない場合、下記のページで検索できます。
自信がない時は、税務署に行けば丁寧に書き方を教えてくれます。
私は自信がなかったので、税務署に直行しました(笑)
みなさんとても親切に対応してくれ、電子申告の手続きなどもその日のうちに終わったので、行ってよかったです。
あとは電話で相談するのもおすすめです。税務署というと怖いイメージがありますが、基本的に職員さんは親切です。匿名で相談もできます。ただし、後にトラブルにならないよう、回答してくれた職員さんの名前は必ず聞いて控えておくようにしましょう。
「開業届」は事業開始のお知らせ
正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。
氏名や住所、事業内容などを書いて、所轄税務署に提出します。マイナンバーが確認できる本人確認書類のコピーも同封する必要があるので、注意してください。
開業届は下記のページからダウンロードできます。
「青色申告届」は控除を受けるための手続き
正式名称は「所得税の青色申告承認申請書」です。
申告には白色・青色の2種類があります。何もしなければ白色になるため、青色を選択するには青色申告届を提出しましょう。
白色・青色の違いやメリット・デメリットについてはあとの章で詳しく解説します。ただし、正直にいって白色を選ぶメリットはほとんどないので、開業と同時に青色申告届を提出することをおすすめします。
青色申告届は下記のページからダウンロードできます。
白色申告と青色申告の違いは?メリット・デメリットを解説
まず、白色申告と青色申告の違いを簡単に表にまとめました。
届出を提出しなければ、白色申告が適用されます。白色申告は、申告書の枚数も少ないし、記載内容も青色申告より単純です。帳簿も単式簿記でいいので、全体的に手続きが楽です。しかし、その分税金の控除が受けられないというデメリットがあります。
単式簿記の記載例は下記の通りです。
一方、青色申告は届出を提出して始めて適用されます。申告書の枚数が増え、複式簿記で帳簿を作成する必要がありますが、65万円の青色申告控除を受けられます。
簡単にいうと、「帳簿を真面目につける分、65万円経費として計上し、所得から差し引いていい」という制度です。
65万円の控除というと、所得税率10%で年間約65,000円、所得税率20%で年間約13万円もの節税効果があります。これだけの節税効果があるので、青色申告がだんぜんおすすめです。
複式簿記については、簡単に内容を学ぶ必要はありますが、そこまで難しくはありません。帳簿作成をサポートしてくれるフリーソフトや無料のエクセルファイルも色々あるので、何とかなります。
複式簿記の記載例は下記の通りです。複式簿記にすることで、単式簿記とは違い、現金などの資産残高を把握できるようになります。
出さないとどうなる?私の失敗談を紹介
単純に言うと、税金をよけいに支払わなくてはなりません。
私の場合、6ヵ月ほどして税務署に行ったので、提出期限は過ぎており、初年度は青色申告控除を受けられませんでした。結果的に、33,000円ほど税金を余計に支払うことになりました…。
他にも、今回は書きませんでしたが、赤字の場合も赤字を繰り越して翌年の利益と相殺できるのだと、とにかく青色申告にはメリットがたくさんあります。
開業届を出す時の注意点
個人事業主になると、社会保険の扶養から外れてしまう可能性があります。健康保険組合によって扶養の条件は異なるので、開業届を出す前に問い合わせてみましょう。
また、開業届を出すと、その時点から個人事業主となります。そのため、失業手当は受け取れません。会社を退職してフリーランスになった人は、失業手当との兼ね合いには注意しましょう。
事業を始めたら2ヵ月以内に届出を!!
私自身、うっかり提出していなくて後悔したので、体験談をもとに解説しました。
なお、令和2年からは「e-TAXでの申告&電磁的記録による帳簿の保存」という条件を満たさないと、青色申告控除の金額が65万円から55万円に減額されます。令和2年9月30日までに手続きする必要があるので、そのこともまた詳しく解説したいとおもいます。